近年,安価で高性能なHMD(別名:VRゴーグル)の普及やVRChatを始めとしたVRSNSの発展によって小説やゲーム,アニメの世界(空想現実)に転生する事が可能になってきました. そこでは私達は性別や種族,形を問わないアバターとして,空想現実の世界で生活することが可能です.まだ体験していない人は早急に異世界転生することをオススメします. しかしながら,未だに空想現実の世界で”食事”をすることはとても困難です.なぜなら,HMDを装着したままだと現実の食べ物は見えないからです. それでは,現実の映像を空想現実の世界にそのまま表示すればよいでしょうか?その場合,空想現実の世界にいる感覚(実在感・プレゼンス)が低下することが問題です. よって,実在感を保ったまま食事が可能なアプリケーションを開発することにしました.
VR空間で食体験を構築させるため,HMDを装着した状態で違和感なく食事をAV(Augmented Virtuality)表示させるアプリケーションを作成しました. 取得した現実映像から食事領域を検出し,器に盛られた食事や3Dモデル等に置換しVR空間に重畳します. 詳しい技術内容は,未踏成果発表会の動画を御覧ください.
2019年度未踏成果発表会
私達が目標とする未踏の領域について,紹介します. まず,様々な理由で食べたいものが食べられない人々が,好きなものを食べられた感覚を味わえる世界にしたいと思っています. 提案者の中野・堀田はStarGANを用いて食べ物の外見を変化させることで,食べ物の味や種類を変化させる研究を行っています. この研究成果をアプリケーションに組み込むことができれば,好きなときに好きな食べ物を食べる事ができる世界にできるかもしれないと思っています. もう一つは,ドラゴンの肉を食べる事ができる世界になるかもしれないと思っています. 私達が調査した中でドラゴンの肉を食べた経験がある人間はいませんでした.もし,食べたことがある経験がある人がいらっしゃったらぜひ教えてください. VR空間での体験はとても強烈なので,モンハンみたいな空想現実の世界であれば,ドラゴンの肉を味わえるんじゃないかな?と思っています. これらの,面白そうな未来を作るためにもVR空間における食体験の構築が必要だと思っています.
VR空間で飯が食べたいと言い出した.
研究は主にGANを用いた画像生成を行なっている.